
お歳暮の基礎知識
お歳暮の始まり
日本には昔「御霊祭り(みたままつり)」といって、お盆と同様にご先祖様の霊を迎えて、お供え物をして、そのお供え物をご近所や親族に配るという風習がありました。現代の、お世話になった方々に対して感謝の気持ちを贈る「お歳暮」というのはその風習の名残と言われています。ですから、この風習はなにより季節感が大切です。遅れるとその感謝の意味自体が軽くなってしまうので、贈る季節(時期)を逃さないことがなにより重要と言えるでしょう。最近では、ほとんどがデパートなどから直接送られてきますが、元々は直接訪問して手渡しで贈るのが普通だったようです。
ただ贈ればいいというものではありません!
いくら感謝の気持ちと言っても、お酒を飲まない方にお酒を贈っても飲めなかったり、家庭を持っていない方に大量の食品を贈っても、相手は逆に困ってしまう事でしょう。また、商品を贈りっぱなしでも失礼にあたります。このように、贈る相手の趣味・嗜好・家族構成・年齢などを十分に考慮した上で品物を贈ると、より喜んでもらうことができるでしょう。デパートから直接送る場合には、送り状を一緒に入れるか、相手に届く頃に送り状を送ると良いでしょう。
「カタログギフト」とは?
最近、送られることが多くなってきた「カタログギフト」というもの。 まだ使われていない方もいるのでは?この、カタログギフトというのは簡単に説明すると、 贈る側は予算に合わせたカタログを選びます。そして相手側にそのカタログが届き、贈られた側はそのカタログの中から好きなものを選んで、届けてもらうことが出来る、というものです。贈る側は送るときに熨斗や送り状を付けてもらうことができたり、なにより貰う側が自分の好きなものを選ぶことが出来るのが良いところでしょう。このようにカタログギフトを利用することにより、貰った方が「デザインが気に入らないので使っていない。」、「貰ったのはいいけど結局使わずにしまってある。」等の理由で困る事が無くなり、気に入ったものを選んでもらえるというのが流行の理由と言えるでしょう。
近年の「お歳暮」
お歳暮というのは、必ずしも贈らなければいけない、というものではないのですが、お世話になった方々へ贈るものです。ですが、そんな「やらされている」ような感じで贈られたものが本当に感謝の気持ちの表れだと言えるのか?ただ贈らなければいけないから贈ってきたのではないか?というように疑問を感じている方もいるようです。
また、日本では企業間同士(取引相手の方や役員)のお歳暮のやり取りや、社内での社員同士のお歳暮のやり取りも行われていましたが、企業間の癒着や賄賂が問題になる現代では国家公務員倫理法により法律が取り決められ、国家公務員が利害の関係する方からのお中元やお歳暮などを受け取ることが禁止されてしまいました。気軽にお歳暮を贈ることすらできない時代の流れでしょうか。

